2012年8月13日月曜日

森の道、ゴールへ


旭川市、東鷹栖での道づくり、ようやくゴールが見えてきました。
山の中にどういう線形で道をつくるか?
僕らが出しつつある答えはゆったりしたライン、
ゆるやかにアップダウンして排水できるうねり、
3~3.5mの道幅。
結果的に、見た目に美しいのがいい気がします。
できあがったら簡単そうだけど、
傾斜がゆるいと逆に苦労することも。
工程はブログではうまく伝えられません。
今度、動画にナレーションをつけてみます。

道づくりの先生、田邊由喜男さんいわく、
「北海道バージョンを作りいや」
第一段階はこんな感じかな?

使いやすく、山を壊さず、雨に強い。
これから間伐作業をするので、
その中でまたいろいろ問題も見えてくるでしょう。

ずっと課題だった、「どうやって広めるか?」にも、
少しずつ自分たちなりの答えがつかめそうです。
いまは発展途上でも、初級レベルからの研修会を開催し、
毎年研修・交流会を実施してレベルアップしていく。

林業の現場作業をしている人たちに来てもらい、研修をしてもらう。
その人たちを雇用している会社や森林組合、
市町村役場や振興局の人たちに働きかけて、
モデル事業をやってもらう・・・

まずは、やる気のある町村からはじまっていくのでしょう。
実はそんなつながりも出来てきそうなのですが、
正式に決まったらまたご報告します。



道づくりで切った木を運んで、仕分けします。
大型トラックの走れる林道わきに丸太積み上げスペース
「土場」(どば)があります。

丸太は、品質や樹種により、運ぶ工場が違うので。
普通はここにユンボ(パワーショベル)に
丸太をつかむツメをとりつけた機械が必要ですが、
アマチュア林業の機械で対応。
左が林内作業車「やまびこ」
右が農家から借りたトラクターに、
丸太をつかむ「グラップル」つきクレーンをつけたもの。


よく見ると、自然に芽生えたほんとうに
小さな幼樹がびっしりあります。
そう、上手に木を切れば、木を植えないで
林業をできる場所はいっぱいあるのです。
「天然更新」ともいいます。
「更新」は、森を再生させること。
木を植えることも(人工的な)更新だし、
勝手に生えるように
ササをはぎとったりすることも「更新」。
ちゃんと見守りながら、
間伐してほっておくのも「更新」。

きめこまかな手入れが可能になるのも、
「森の道」があってこそ。
「ここなら植えないで林業できると思うので、
やっていいですか?」と
山主さんに現場で相談できる。
森の地面を機械で踏み荒らさないで
間伐や丸太の搬出ができる。
「天然更新」がうまくいっているか、
見回りも簡単。

「天然更新」は、
モニタリングと評価、計画の再検討が
とっても大事なのです。
森の管理も「PDCAサイクル」が大事なのです。
そんな当たり前のことも、
「森と里つなぎPJ」で提言していけるのでは
ないか、と思っています。

温暖・多雨の日本では、
森林が比較的簡単に再生します。
木を植えることは森の再生の「最後の手段」。
できれば多額の補助金に頼らず
自然の力を活かしたいもの。
ポイントは、森を「上手に伐る」ことです。
森の状態をきめ細かく見守ること、
山主さんにきめ細かく伝えること、
それができる人を育てることに、
(欧米のように)税金をもっと使うべきでは?
と思います。





陶芸家から「カラマツの薪がほしい」
という要望がありました。
高級薪ストーブ用にはあまり喜ばれない
カラマツも、陶芸用や、ボイラー用には
よい燃料になります。
森の中まで、軽トラで来てくれるようです。
うまく積み込みができたら、
コスト計算もできます。
大げさに言うと、「新しい流通」です。
製紙会社にパルプとして売っていた、
原価割れの曲がり丸太が、
なんとかやっていける
値段で買ってもらえれば、林業にも
少し希望がでて来るかもしれません。

この現場でいろんなチャレンジをしてみます。
いま、地元の農村向けに、
「森の道見学会」を準備中です。
山主さんにも森を見てもらって、
森の管理プランを提案するつもりです。

経過はまたご報告します。




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